組織に埋もれず
「組織に埋もれず」高杉良著、平成29.5.1発刊、新潮文庫、を読みました。
最初、題名から察して組織からはみ出した人間が何かを成し遂げる話かな。「面白そうだな」と思ってこの本を手にしました。
平成7年(1995年)1月17日5時46分52秒に阪神淡路大震災が勃発。
主人公大東敏治は単身でボランティア活動に参加するため、同年2月4日土曜日、有給休暇を取って神戸に向かった。東京都足立区の自宅マンションを出て羽田から伊丹空港へ。伊丹空港からリムジンバスで阪急伊丹駅へ。駅が倒壊し、鉄路がずたずたに切断されていた・・・
改めて地震被害の惨状が浮き彫りにされ心を痛めました。読み進む内にこの小説は。主人公大東敏治が、組織になじめず、組織を脱して何かを成し遂げたのではなく、組織に留まり会社の中心人物となってゆくスーパーサラリーマンの物語でした。
どの会社も「人材」を揃えたいと思っていることは確かです。私の仕事柄「会社に人材はいますか」と尋ねると、「いないなあ」という答えが返ってくるのが大半です。私はいつも、その言葉の裏には「思い通りに動ごいてくれる人間がいない」という社長の悩みがあるように思います。中小企業はトップダウンの会社が多い。極論かも知れませんが、社員はいつか無気力となり生活の糧としてしか働かなくなってしまいます。どう思われるでしょうか?
以下、主人公の言葉を一部抜粋し編集しました。
- 「自己の満足が他者の満足と符合して初めて快適であるといえる。一方の満足だけで快適と思うのは間違いである」それには、企業も社員も「開発」に取り組まなければならない。ここでいう「開発」とは、両者ともに自己変革の必要があり、共に符合することに取り組むことである。
- 企業は、常に立てた目標と結果の評価を強いられる。社員も同じである。「途中で頓挫することなく自分を駆り立て、実行する意欲こそ最も大切である。自分に命令するの自分であり、上司ではない」
- 「トップも、役員も、管理職も、そして若手社員も、もたれあったり、他人事と思わず、組織の活性化について。いつも考え。発言し、行動できる企業風土でありたい」
- 「今の大企業の社内制度は、社員の居心地をよくするようにできている場合が多い。つまり集団保護体制になっている」この居心地のよさにかまけていては、会社も自分も守れない。
- 「甘い組織は生き残れない。甘い個人は廃れていく」
興味のある方は是非読んでみることをお勧めします。いつかどこかでお茶しましょう(^o^)
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