羅臼から知床、和琴半島へ 8th day

知床峠

_8時37分民宿本間を発ち知床峠へ。天候、薄曇。R334をしばらく走ると急に強い硫黄の臭い、熊の湯だ。露天風呂は昨日の相泊温泉で堪能したし、羅臼をスタートしたばかりでバイクを降りるのも面倒でここはやり過ごす。私は昔、一度入浴したことがある。森の中にある秘湯だが、是非入りたいと思わなかった。

_やがて、道は登りの七曲がりとなる。標高を上げて行く程に霧が深くなってゆく。知床峠で楽しみにしていた羅臼岳の景色の期待も消える。知床峠9時着。早々に発つ。

知床峠

知床カムイワッカ湯の滝

_知床に向かうほどに霧はなくなり視界良好となる。自然センターの駐車場にバイクを停める。シーズン中は知床五湖駐車場とも駐車待ちの車が長蛇の列をなすらしい。

_知床自然センターに入り情報収集と土産物売り場でステッカー探し。カムイワッカ湯の滝を遡上するための底がイボイボ付きのカムイワッカ靴下1000円が売っていた。

_カムイワッカ湯の滝までは、6月から10月までは大型車を除き通行可能。8月1日~25日、9月15日~25日は車両乗り入れ不可でシャトルバスしか入れない。自然センターで「カムイワッカ湯の滝までは行けますか」と尋ねる。通行可能とのこと。ただし道は砂利ダート。”イボイボ靴下”はどうするの・・ダートの状況も把握していない・・ただいま思案中・・・

_自然センターを出て駐車場に戻る。駐車していたおじさんに「カムイワッカ湯の滝に行こうと思っているんですが」と声をかけた。「今、行って来たとろころだよ」これはとっておきの最新情報が手に入りそうだ。「ダートですね」「バイクだと前の車から距離をおいて走らないと、真っ白になるよ」「そうですか、道は凸凹ですか」「砂利が敷いてあるが、そうでもないよ。是非行ってみてください」「イボイボ付きの靴下は要りますか」「苔もそんなに無く、注意して上れば裸足で充分だよ」

_そのアドバイスで、断然行ってみようという気になった。9時52分知床自然センターを発つ。道道93号知床公園線に入り、途中右折してダートに入る。10時2分カムイワッカ湯の滝着。早速、緩やかな湯滝を登る。これより登らないで下さいの看板。

かつてはどの滝壺にも自由に入浴できた。上流の滝壺に行くほど湯温は熱くなるが、高温の湯の流入による火傷および難しい岩場などによる転落の危険度が高かったことも事実である。さらに2005年に知床が世界遺産に登録されたことにより観光客が激増し、転落や落石の危険が更に増したため、同年には適温の滝のうち一番下の通称「四ノ滝」の滝壺以外は立ち入り・入浴禁止となり、シーズン中は監視員が常時見張るようになった。「四ノ滝」の滝壺に大きな岩の落石が2 - 3あり落石の危険がより高まったため、翌2006年に車道から100メートルほどで最初に現れる小滝である通称「一ノ滝」より上流への立入が禁止された。この滝壷の湯温は30度ほどとかなりぬるいため、快適な入浴はできない状態である。カムイワッカ湯の滝の約1km下流に、カムイワッカ川の水が直接、オホーツク海に落下するカムイワッカの滝がある。落差は約30m。幅広の姿形を持つ。こちらは陸路で近づくことは困難であり、ウトロ漁港から運航される遊覧船から見ることができる。(ウィキペディアより「カムイワッカの湯」より抜粋)

(一の滝)

 

_カムイワッカ湯の滝までの道はツーリングマップルでは、一部凸凹ダート10.7km。熊除け対策必須と記載してあったが、実際は砂利のフラットダート、一部カーブで深砂利りだった。10.7kmはおそらく知床五湖から入る道だと思う、私たちはもっと手前の道を右折して入ったのでもう少し距離があった。熊除けまで気が回らなかった。

知床五湖

_11時16分カムイワッカ湯の滝を発ち世界遺産知床五湖へ。私は、知床五湖はこれで3回目となる。今回行ってみたら知床五湖フィールドハウス、高架木道などかなり整備されていた。

_知床五湖フィールドハウスに入って情報を得る。5月から10月はヒグマ活動期なので知床五湖の散策はガイドツアー参加のみ、ひとり5000円也。ガイドツアーなしの場合、高架木道で一湖のみ見学。私達は時間の制約もあり一湖にした。

一湖と知床連山

硫黄山

_12時44分知床五湖出発。硫黄山から和琴半島湖畔へ向かう。ウトロSSで給油し、道の駅ユートピア知床で昼食。13時40分道の駅を出てオシンコシンの滝着。

オシンコシンの滝

_14時40分道の駅しゃり着、小さな道の駅だった。バイクを置き、薬局で蚊取り線香と風薬を購入。近くの喫茶店でコーヒータイム。15時道の駅しゃりを出て、斜網広域農道へ。その道すがらバイクのレーダーが反応。ビックリしてスピードを落とす。しばらく走るとパトカーがライトを上向けて眩しい光を放ちながら電波を発射。レーダーが再び反応。

_このときはゆっくり走っていたので難なく通過。北海道ではパトカーからレーダーを発射すると聞いていたが、実際にその場面に遭遇してまたひとつ新しい体験をした。15時55分硫黄山着。

硫黄山

和琴半島キャンプ場

_16時15分硫黄山を発ち、道道52号で和琴半島湖畔着。今日の宿は和琴半島湖畔キャンプ場の予定だったが今晩から雨模様。テントはヤバイだろうと急遽宿探し。駐車場にバイクを停め手分けして宿を探す。駐車場の前にあった土産物のおばさんにも「どうせ暇だから」と協力してもらった。やっと見つけた近くの三香温泉は休み。土産物屋のおばさんが「そういえば、確かキャンプ場に入る手前に宿があったはず」と。

_早速、キャンプ場の入り口の方へ行くと、ひなびた宿舎が目に入る。宿舎に入って聞くと「日帰り温泉入浴は営業していますが、今は宿泊はしておりません。この先を入ったところにロッジがありますよ」と。

_教えられた方向に方に行ってみると、和琴半島湖畔キャンプ場がありロッジも数棟あった。その際、車止めの間を抜けようとしたとき、後ろのバニアケースが車止めに引っかかりバタンコロリン。ダートで転けるならいざしらず、車止めに引っかかり転けるのは予想外。バイクは大過なく一安心だったが、不注意につきる。バイクを起こし管理棟へ。ロッジに空きがあり受付を済ませ、ロッジ泊と相成りました。

 

屈斜路湖畔滞在 9th day

屈斜路湖畔

 5時18分 屈斜路湖畔 雨
_今日の道東の天気予報はどこも雨。動きようもなく一日ここで滞在することに決める。これもツーリングのうちだろう。それにしてもロッジは居心地が良い。雨の場合尚更だ。すべての荷物は室内に置くことができ、入口のピローでは炊事もできる。室内には電灯もあり、ストーブもあり、床の清掃も行き届いていて心地よい。一棟4500円は二人なら安い。ロッジに泊まるのは初体験だが、有りだな。

_昨日、泊まっていたバイカーの大部分は、早朝から雨の中を旅立って行った。隣のロッジのハーレーの若夫婦と私達だけになってしまった。

_若夫婦は、カッバを着込み、防水マスクをして完全装備で遅めの旅立ちの用意をしていた。「どちらへ」と声を掛ける。当初「三国峠」を通って旭川に行く予定だったが、情報収集によると三国峠付近濃霧のため避けた方が良いとのアドバイスもあり、安全策をとって、午後から天気の回復が期待できる釧路方面へ行くことにしました」と云う。私たちは、明日、糠平(ぬかびら)にホテルを予約しているので大幅な変更はできない。

_天気の回復の期待ができる方面はないものかと携帯で調べる。午後からは雨も止むらしい。

美幌峠

_北見方面は曇りとの情報を得て、美幌峠の道の駅で昼食をとろうと12時過ぎ小雨を突いてR243で美幌峠に向かった。やがて雨は止んだが、標高が上がるにつれ靄ってくる。道の駅ぐるっとパノラマ美幌峠に着いたがパノラマどころではなかった。13時10分、昼食を済ませ和琴半島戻る。

_和琴半島に戻る際に、温泉入浴と今夜の夕食の下調べに屈斜路プリンスホテルに立ち寄る。受付でレストランと温泉の情報を聞いてみると、ただいま停電中で温泉は営業中止、回復次第再開とのこと。

摩周湖

_これからどうしようかと相談の結果、またも天気の回復を期待し摩周湖へ向かう。雨が上がっていますようにという期待も虚しく、弟子屈(てしかが)の町に入る手前から雨雲の下にまともに突入、その後雨は止むことなく摩周湖へ。天気予報どうなってんの。

_霧雨に包まれた摩周湖の駐車場に着く、バイクは私たちの二台のみ、車もまばら。 しかし、レストハウスの中は予定を変更できない観光バスの客で賑わっていた。

阿寒湖

_まだ懲りず、釧路方面に南下すれば雨は上がってるかもと期待して(そういう情報もあり)阿寒湖に行ってみようということになった。これまた見事に期待外れで雨はさらにひどくなり、ヘルメットのシールド越しの視界不良に加え、濡れた路面の連続カーブの峠越え。それでも引き返す気は全くなく阿寒湖へ。

_阿寒湖ではタダでは帰らないぞと、予定になかった阿寒湖温泉共同浴場まりも湯に入浴。雨がしみこんだ靴下から解放され源泉100%で温まる。タオル250円、入浴料金500円はちょっと高い。再び雨に濡れた靴下をはいて雨の中へ。

和琴半島

_帰りに弟子屈町のセイコマで、夕食等を買い屈斜路湖畔へ戻る。ここ和琴半島は雨の降った様子もない。ロッジの経営者にそのことを尋ねると「ここは、そんなことがあるんです」

雨上がりの和琴半島キャンプ場

_今日は半日、雨と格闘し美幌峠、摩周湖、阿寒湖まりも湯入浴とこなしました。夕方の湖畔にはバイクのキャンパーも数台増え、小さな焚き火が静かな湖畔に映えていました。

本日の走行距離 180.8km

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