_今日は、一日の余裕ができ帯広滞在となった。荷物はテントに納め10時過ぎキャンプ場を発つ。さあ、帯広一日観光に出かけよう。
中札内美術村
中札内美術村の駐車場は閑散としていた。

中札内美術村にて
「北海道十勝地方のおよそ145000平方メートルの広大な敷地内に美術館やレストランが点在する中札内美術村。柏林に囲まれたまくら木の遊歩道を散策、美術館めぐりをお楽しみいただけます。」とあった。 (中札内美術村のホームページより)
_私は、六花亭で坂本直行記念館を見学する予定だったので、ここは気に入った写真を撮って早々に立ち去った。
六花亭
_六花の森の六花亭は観光客で賑わっていた。
六花の森について、「旭川-富良野-十勝を結ぶ北海道ガーデン街道の南端のこの地に、花柄包装紙に描かれた草花でいっぱいの森をつくりたい。100000平方メートルの敷地に十勝六花(エゾリンドウ、ハマナシ、オオバナノエンレイソウ、カタクリ、エゾリュウキンカ、シラネアオイ)などが季節毎に花開き、庭の中にはクロアチアの古民家を移築した美術館が点在しています。」(六花亭の公式ホームページ)より
_その六花の森にある美術館の一つに坂本直行記念館がある。同記念館は何処かのホームページで、帯広に行けば、ぜひ立ち寄ってみたいところだとあったので、それを覚えていて行ってみた。私自身坂本直行を知っていたわけではない。
「直行は1906(明治39)年、北海道・釧路に生まれた。北海道大学農学部を卒業後、誘われて十勝の原野に入った。開拓農民となった。その30年に及ぶ開拓者生活は想像を絶し、ついに離農。晩年は、画業に専念した。帯広市の製菓会社「六花亭」は、・・・菓子類の包装紙に直行の花の絵を使った。それが有名になった。1982(昭和56)年病に倒れ、死去。75歳。また忘れてはならないことがある。直行は龍馬の子孫であるということだ。直行の祖父・坂本直寛は龍馬の甥にあたる。ただ、直行は生涯、龍馬のことを語らなかった。土佐に来たこともない。あえて語らず、あえて知らんぷりをする。ひたすら農民として、画家として生きた生き様こそ「志」に生きた龍馬の人生にまた、符号するものだと思う。お互い筋金入りの“いごっそう”というわけである。」(高知県立坂本竜馬記念館ホームページより)
_「30年に及ぶ開拓者生活は想像を絶し」と上記にあるが、直行が選んだ入植地は、十勝・広尾の下野塚の未開墾地で一番荒れて条件の悪い土地だった。夫人に「おとうさん、どうしてこんな所にしたの」と言わしめた。夫人共々、飢えや不作を忍び開墾に励んだらしい。「自然と人間の激しい斗い」を自ら望んだようだ。その体験が直行の絵に強く反映し人の心を掴んだに違いない。誰にでもできることではない。直行の宿命というものか。
_六花の森を散策していて、彫刻「考える人(ロダンから)」彫刻家・板東優氏による作品があった。大空を前に、何かを考えているような造形である。そばに行って前側を見ると顔かたちがはっきりせず、この彫刻は後ろから見るものだと判断した。そして「考える」こととは「悩む」ことなんだと私には思えた。

板東優氏による作品
新嵐山スカイパーク

中札内から芽室に行くときに出くわした直線道路
帯広の芽室にある芽室遺産に認定されたという新嵐山スカイパーク展望台を訪れる。

360度パノラマの十勝平野

新嵐山展望台
_今後の旅の参考のために、展望台の麓にある公営新嵐山国民宿舎も見ておいた。ホテル風のなかなか立派な国民宿舎であった。
_そして、日本一長い防風林(道道66)も見ておくことにした。が、ただただ長い防風林が続くばかりで景色的にはもう一つだが、北海道ならではの景色であった。
幸福駅

幸福駅にて
旧愛国駅・旧幸福駅
_旧愛国駅にも訪れてみたが、「旧愛国駅」という小さな看板があったのみ。そして旧幸福駅に行ってみた。こちらは、大きな駐車場もあり観光施設となっていた。
_帯広観光から帰ったら、道内ナンバーのキャンパーが増え二輪も3台になっていた。今日は土曜日だからかな。また、滞在型キャンプをしている年配夫婦の人達が多いのにも驚かされた。キャンプは若者達のものと思っていたが。
息子と合流
_息子と本日深夜に合流することになった。小樽港を21時前に出て、札樽自動車道、道央道、道東道を乗り継ぎ、帯広広尾自動車道中札内ICを経て0時15分頃、道の駅忠類到着。ナウマン象のモニュメントがあるところで私が振る懐中電灯に気づき合流。道中かなり寒かったらしい。狭いテントで二人就寝。明日からは二人旅だ。
帯広から釧路へ 5th day
_今日からは二人旅 F700GSとK1300R。夜が明ける。帯広晴れ。9時頃、忠類キャンプ場を出て忠類共栄牧場展望台へ立ち寄る。R236から道道62号を経てR38へ入る。十勝川に架かる豊頃大橋を渡り道の駅うらほろ10時30分着。

十勝川、R38豊頃大橋を渡る
山花温泉リフレ
釧路湿原カヌー下り予約
_11時頃うらほろを発ち、R38号を交通取締まりに気を配りながら淡々と走る。海岸沿いの道に入ると濃い霧が発生していてヘルメットのシールドに纏わり付く。道の駅しらぬか恋問に到着。濃霧の白い海を見ながら小休止。
_恋問を出て、山花温泉リフレへと内陸部に入っていく、霧も晴れ路面も乾く。12時30分山花温泉リフレ着。
_駐車場の縁石に腰を下ろし、携帯電話で「釧路川湿原カヌー下り」にトライするため、塘路ネイチャーセンターに電話を入れる。翌日の7時スタートの予約が取れた。計画では、本日の幕営地は山花温泉オートキャンプ場であったが、ここでは明朝7時の集合時間にはとても間に合わない。幕営地をネイチャーセンター近くの塘路湖元村キャンプ場に変更した。旅館等の予約を入れていたらこうはいかない、キャンプならではの自在さだ。
_明日の計画も確定し山花温泉入浴。そしてリフレ内の「レストランはなしのぶ」で昼食。
コロッタ湿原
_13時50分山花温泉リフレを発つ。道道53号で鶴居村へ向けて走る。右手は釧路湿原であるが緑の森ばかりで湿原の様子は何も見えない。鶴見台に寄る予定であったがやり過ごしてしまい、道道243号阿寒標茶線から道道1060号クチョロ原野塘路線に入る。程なくコロッタ湿原展望台到着。

コロッタ湿原展望台より
_展望台から先は砂利のダート道、二本松展望地を目指すが見つからず。R391号に出て、道道221号塘路厚岸線に入り塘路元村へ。
塘路元村キャンプ場
_キャンプの申し込みを済まし塘路元村キャンプ場着。テント設営。さて夕食はどうするかだ。キャンプ場申し込みの際、近くのコンビニ等を訪ねたが釧路市内か標茶町(しべちゃ)まで行かないと無いらしい。どちらも30キロ、30分ほどかかるらしい。温泉は標茶町シラルトロ湖にあり、そこまでは20分ぐらいと聞く。温泉優先で標茶で買い物をすることにした。
_シラルトロ湖の湿原パークかや沼にて源泉100%の温泉に入浴。その後、標茶までバイクを走らせた。18時27分標茶のスーパーで、食材・クラッシックビール・酒のアテにたこ刺しを買う。塘路のキャンプ場に戻ってきたのは19時前後となってしまった。
_早速、夕食の準備にとりかかったが手足の周りに蚊がブンブン、蚊取り線香がない。キャンプになれない二人の周到さに欠ける様だ。何とか凌いでカレーで夕食。まあまあ美味しかったのでした。次のキャンプ地までに、蚊取り線香を忘れないよう買っておこうと確認し、今日の一日は終わりました。明日は6時起きだ。
本日の走行 173Km
釧路から別海町へ 6th day
釧路川カヌーツーリング
_5時15分、釧路の天気予報は曇りだった。しかし、早朝から雨がテントを叩く。予約した川下りは、塘路ネイチャーセンターまで行かねばならなかったが、雨の中バイクで行くのも鬱陶しく、一番のスタートが5時からと聞いていたので、急遽、電話を入れる。数回の呼び出し音が鳴り電話は転送されて繋がった。「直前に云われても」と少々不機嫌な様子だったが、元村のキャンプ場まで迎えに来てもらうことになった。どのみち通り道のはずだから、文句をいわず拾ってくれればいいのにと思ったが、そこは、商売人ではない無骨さだろうと勝手に納得して、指定された6時45分元村キャンプ場で迎えの車を待つ。迎えが来る頃は雨は止んでいた。
_バイクや車で釧路湿原を観賞するのもいいが、今回は湿原にどっぷり浸かって、水面からの目線で観賞する企画だ。ライフジャケットを装着し、パドルでカヌーの漕ぎ方の簡単なレクチャーを受け、塘路湖へカヌーを漕ぎ出す。お客は女性二人組と私達二人。

釧路湿原カヌーツアー
_いよいよ釧路湿原川下りの始まりだ。あちらこちらで鯉が水面を跳ねる。JR釧路本線の橋梁下をくぐり、釧路川の支流アレキナイ川に入ってゆく。
_案内文には、「このアレキナイ川は川幅も狭く湿原の植生や野生生物が見られるポイントです。運がよければタンチョウやカワセミなどに出会うことができます」と。
_湿原の樹木に止まる小鳥のさえずり、なかでも「カッコウ、カッコウ」の明瞭な鳴き声がひとわ大きく湿原に響きわたり、静かな森に一層の透明感を与えていた。
_ガイドから湿原の木々の名前などの説明を受けるが、早朝の湿原の雰囲氣を味わうことに専念していたため、覚えるまでには至らなかった。覚える気があったのかどうかは疑わしいが。

釧路川の支流アレキナイ川にて
_釧路川本流に入り、湿原の中の小さな溜まりでコーヒーブレイクとなった。案内文にあったタンチョウやカワセミなどには出会えなかったが、ここで、ガイドさんから、目先にあった足跡を「これがタンチョウ、あれがエゾ鹿の足跡です」と教えてもらった。タンチョウ居るんだぁ・・・。
_そして、カヌー前方の高い木を指し「オジロワシがいますよ」と。カメラを望遠にして撮ったが、やはりブレていた。遠くてハッキリは見えなかったけれど、今回の川下りの何よりの収穫のように思えた。

釧路川にて
休憩を終え、釧路川本流をのんびりと漕ぎ下り、終点の細岡に。

細岡にて
_2時間半の川下りでした。キャンプ場まで送ってもらい、我ながらいい企画と満足した。テントの乾燥やらで後片付けに時間を取られ、11時過ぎキャンプ場を発つ。

塘路元村キャンプ場を発つ