帯広忠類へ 3rd day

_6時前チャリダーの彼は、寝ている私の肩をトントンとたたき「良い旅を」とひと声かけ旅立って行った。それを機に、私も昨夕買ったセイコマの弁当を少々口にいれ、6時48分洞爺湖のライダーハウスを出る。

_昨日は寒かったのでアンダーにハイネックの長袖を着る。道央道虻田洞爺湖ICに入る。道路濡れ気温12度前後、時々霧雨。寒~い。有珠山SAの標識が見えたので「景色どうかな」と入ったが、詮無し。

_7時11分樽前SAで休憩。高速道路情報の音声案内が苫小牧東ICまで路面は濡れていると伝える。その先の日高自動車道はどうだろうか。苫小牧東JCTで道央道と別れ日高自動車道に入る。路面は乾いていた。鵡川ICを出て9時半頃道の駅むかわ着。

サラブレッド街道 新冠

_9時52分道の駅むかわを発つ。雨は止み道路は乾いて薄曇り。再び日高自動車道に入り終点日高門別ICを出て、R235浦河国道をひたすら走り新冠町へ。

_10時40分、道の駅サラブレッドロード新冠着。その隣に新冠レ・コード館、近くに新冠レ・コードの湯ホテルヒルズがあった。ホテルヒルズの観光案内パンフレットに、2連泊し乗馬体験ができるプランがあった。一日目は体験トレッキング、二日目は林間常歩コース。乗馬をとことん体験したい人にお勧めとあった。今回は予定にないが、いつの日かそんな体験もしたいものだ。

日高の牧場

_新冠レ・コード館は、全国から集まった74万枚のレコードが収録され、国内最大級のスピーカーシステムで音を楽しめるらしい。入館すると、ピンクの制服を着た若いレ・コードガールが歓迎してくれた。懐かしの歌手のLPが整然と並べてあり、他にもたくさんのLPがあった。新冠町とレコード、何か強い繋がりがあるのかな。単に観光客のための施設かな、それにしても立派な施設だなぁ・・・

_ここで音楽をのんびり楽しむ余裕もないので、記念のステッカーを探しに土産物コーナーに足を向けた。陳列台の端に、駿馬が両前足をあげたてがみを立て嘶いている置物があった。チョット強調気味かなと思ったが、その姿態が生気に満ちて気に入った。

_昔、3匹の馬が勇壮に走っている陶器の置物を持っていた。それを大変気に入っていたのだが子供達に壊されてしまった。以来、機会あるごとに馬の置物を探している。レ・コード館の置物を手に取ってみると意外に軽い。念のため店員さんに「何で作られてるんですか」と尋ねた。店員さんは即座に「陶器です」陶器なら買いだが、私は「陶器にしては軽いですよ」と。店員さんはその置物を手に持って「軽いですね」と言って、慌てて「他の者に聞いてきます」とその場を離れた。しばらくして戻ってきた店員さんは申し訳なさそうに「プラスチックでした」と。

_以後ツーリング中に行くところ行くところで馬の置物を見たが、新冠レ・コード館にあった馬のようなお気に入りはなかった。

_レ・コード館でサラブレッド銀座通りの場所を聞き、R365を少し戻り銀座通りを流し、馬をバックにバイクの写真を撮り、11時24分サラブレッド銀座を発った。

サラブレッド銀座通りにて

浦河国道

_12時40分頃、道の駅みついし着。駐車場にバイクを停め、ガソリンが少なくなってきたので、地図でエンルム岬から少し先の様似のGSを確認し昼食に行こうとしていると、関西から来たという柴犬の老犬を連れたおじさんに声をかけられた。「襟裳岬に行ってきました、寒くてオーバーを着て歩きました」と。「おひとりで」と訪ねると「いや、これと一緒です」と老犬に目をやった。老人と老犬、二人・・・もっと話をしたそうであったがレストランの場所を聞くにとどめた。

_ここにも道の駅に隣接してみついし昆布温泉蔵三という宿泊もできる立派な施設があった。館内のレストランで食べた昼食は、確か海鮮丼。北海道の海鮮類は新鮮で旨いのだが、値段もそこそこ。超安くて、超旨い食事に出合いたいものだ。岩内の「焼き魚定食」は新鮮で旨かった、そして安かった。

エンルム岬
_13時48分道の駅みついしを発つ。ツーリングマップルで調べておいた塩釜ローソク岩、親子岩を右手に確認し、様似漁港を過ぎてR336から離れてエンルム岬へ向かった。やがて漁村の細い路地に入っていくと道がなくなってしまった。行き止まりの先は左側は絶壁で、右側は大きな石がごろごろし波が打ち寄せていた。バイクを何度か切り返してUターン。道を間違えたかなと思ったが、案内看板もなくここで時間を取られるのも辛くR336に引き返す。

襟裳岬

_先ほど調べおいた国道沿いのGSでガソリンを給油。従業員に襟裳岬までの所要時間を聞く。2,30分で着くと云う。洞爺湖を出る際、今日の幕営地は百人浜キャンプ場にしようと思っていたが、これなら帯広の忠類まで行けそうだ。
_R336から襟裳岬への道道34号に入る。襟裳岬に近づくにつれて道は連続した緩やかな上り勾配となる。左右は遮るものがなにもない草原、さらに前方を見ると道は広大な空の中に消えていた。天空に駆け上って行くような感じだった。「道が天空に駆け上る」走りながらそんな体験をした道を思い出した。それは長野県の湯田中から群馬の草津へ抜けるR239志賀草津道路で、ご来光を見るため硯川から渋峠へ駆け上ったときのことだった。

襟裳岬への道、道道34号にて

襟裳岬着 14時過ぎ

_一度は行ってみたかった襟裳岬に到着しました。襟裳岬は「日高山脈の南端に属し、沖合7キロまで岩礁が続き、岬の周囲は60メートルの断崖」そして、ここへ来た多くの人が「いつも霧がかかって何も見えない」と。明日以降に予定している霧多布岬も「見えない岬」らしい。
_ところが、今日は沖合まで見通すことができたのだ。そして寒くはなくオーバーなど全く必要がなかった。襟裳岬の遊歩道の最先端まで歩く。遙か遠く地平線が広がる。大洋の波は穏やかで白波ひとつ見えない。ラッキーでした。

襟裳岬

_土産物店で襟裳岬のステッカーを買う。ひととおり襟裳岬を見回り、休憩していた大阪、岡山から来たライダー二人と話す。お二人とも今日は帯広方面から来たと言う。大阪のセロー乗りは襟裳泊、CB1300の岡山のライダーは帯広に戻るらしい。彼らの話しを聞き、ナウマン公園キャンプ場迄は1時間半程で着くと踏めた。今日の幕営地は忠類のナウマン公園キャンプ場に決定。上々だ。

岡山のライダーが、川湯温泉のホテルで盗難にあった話を紹介しておこう。ホテルのチェックアウト前に、「少し席を立つので椅子に置いてある荷物を預かって欲しい」と受付に頼んだところ、「そこにおいて置いておいて下さい、こちらで見ておきますから」と。安心して荷物を置いたまま所用を済ませ、元のところに戻ると、ヘルメットもライダージャケットもすべてなくなっていた。ホテルに苦言を呈するのはもちろん、警察への対応やら、上着の手当やらで一日潰すことになったという。疲れてくるとついつい横着になってしまう。これからの旅「気をつけて」と云う警告のような話だった。

黄金道路

_襟裳岬15時3分出発。道道34号の百人浜キャンプ場付近は、草原の中を走る爽やかな道。庶野を経てR336黄金道路(広尾から庶野への30キロ、道路完成までに黄金を敷き詰めるほどの金額が投じられたと言われ、この名が付いた。ツーリングマップルより)を走り、広尾から中川郡忠類へ向かった。
_黄金道路は荒海の潮が吹き込む豪快な道でした。交通量はごく少なく貸し切り状態の道であった。黄金を積み上げるほどの税金を使って作らなければならなかった道なのだろうか?

(写真 黄金道路にて、この海岸はサーファーの練習場所らしい)

 

 

忠類

道の駅忠類・ナウマン公園キャンプ場 16時30分ごろ着。晴れ。
_キャンプ場は、芝刈りが終わった直後で新鮮な草の臭いが私を迎える。既に6,7張りのテントが設営してあった。空いている場所を選びテントを設営。バイクに積んだ荷物をテントに放り込み、ひとやす~み。

_一気にここまで来たんだなあと感慨しきり。昨夜、チャリダーの青年との出合いがなかったら、今朝早く出発してなかったし、当然ここまで来られなかっただろう。彼のおかげで洞爺湖温泉から一気に幕別町忠類まで来ることができた。まる一日の余裕ができた。

ナウマン象とマイバイク

_18時30分頃ホテルアルコ236のナウマン温泉に入る。そして併設のレストラン郷里ちゅうるいで晩酌御前をオーダー。ビールを注文し会席料理に箸がすすむ。焼酎も追加してご機嫌さま。札幌の友人に北海道上陸の電話を入れる。私の行動力にビックリしていた。19時半食事を終えテントへ。7年振りのテント泊。福島県いわき市から来たらという私と同年輩くらいのご主人の鼾が「グワーぐわ~」

息子から連絡入る
_23時56分舞鶴で乗船のメール。実は、息子が仕事の段取りをつけられたら何処かで合流しようということになっていた。明日の深夜このキャンプ場か、または明後日正午帯広で合流することになった。

本日の走行距離 357㎞

4th day 帯広滞在

忠類ナウマンキャンプ場

_今朝は、朝早くから隣りのテントからご夫婦の会話が聴こえる。「狭くないかい」「お父さん、大丈夫よ」お互いを労わりあうような会話が、独り身となった私には堪える。

忠類ナウマンキャンプ場の朝

_キャンプ場に隣接した駐車場には、和泉、神戸、相模、習志野、いわき、札幌、そして亀岡の原チャリ。少し下った道の駅裏手の芝生の刈り込まれた広場にもキャンパー達が居た。キャンプスタイルは、乗用車に大型テント、キャンピングカーにタープ等。中でも、後部に牽引装置を付けたBMW、その隣に鎮座していた8m長の高級キャンピングトレーラーがひときわ目立っていた。屋根にはバラボラアンテナがついていた。趣味に大枚のお金をかけるんだ~。

忠類ナウマンキャンプ場
_キャンパーの半数以上は何日間も滞在しているようだった。私の隣の年配夫婦は、テントを張ったままワンボックスカーで、彼方此方に出かけているようだ。今日で三日目だって。ゴルフプレー中の孫達にじぃじぃと呼ばれているだろうプレイヤーは、函館からチャンピオンコースのこのナウマンパークゴルフ場まで来てゴルフ三昧。今日で五日目らしい。こんな過ごし方もあるんだと初めて知った。北海道ならではのスタイルなのかも知れない。ちなみにこのパークゴルフ場はプレー代無料らしい。ナウマン公園キャンプ場もサイト・トイレ・炊事場所等の手入れが行き届き、これも無料です。

_歩いて直ぐに、道の駅、ナウマン温泉ホテルアルコ236(日帰り入浴可)があり、無精な私のキャンプスタイルにはうってつけだ。道の駅忠類には自家製のパンも売っていた。7時20分朝食は自家製パンとジュース。幕別町の行政なかなかやるな~って思ってしまう。リピータもきっと多いだろう。ちなみに、このホテル及び道の駅忠類の経営は、株式会社忠類振興公社とあった。

「忠類村の名の由来は、アイヌ語の「チュウルイベツ」(急流の意)より。1969年に日本で初めてナウマン象の化石が発掘され、ナウマン象が村のシンボルとなっている。」(ウィキペディアより)

_ナウマン像の発見は、当時かなり話題になったらしい。忠類村は現在、幕別町忠類となっている。ここの各施設は、ナウマン象の化石が発見されたことからナウマン何某という名がついている。道の駅忠類に隣接して、忠類ナウマン像記念館がある。

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