士別市から浜頓別町へ 138キロ
士別から音威子府へ
曇り時々晴れ一時雪
8時45分士別市「美し乃湯」を今日も転けませんように! と祈りながら出発。
圧雪アイスバーンを快調に走り、10時40分、道の駅「びふか」に到着。隣にびふか温泉。予定ではここでテント泊であったが、テント泊はここまで一回もせず既にテントは緊急用と化してしまった。
今日は浜頓別町まで行く予定。足のカイロ入れ替える。つま先の冷えを予防するため、薄手の靴下の上に足指を覆うように上から靴下用カイロを貼り、その上にもう一枚メリウールの厚手の靴下を履く。こうすると一時間は冷たい風に足が晒されても大丈夫。
(道の駅「びふか」にて)
国道はこんな感じ
さあ、先は長い。11時10分、 道の駅「びふか」を出発。
快調に走り出す。それから4分ほど走ったところで、いきなりタイヤのグリップが失せる「アレ、ヤバいかな」、路面を見るとツルツルアイスバーン(ミラーアイスバーン)
スピードを落としたが、これが滑りに拍車をかけ道路の左側にバイクもろとも大転倒。
ヘルメット越しに頭を2回ゴンゴンと打ちながら、バイクもろともアイスバーンを滑ってゆく。そして、したたかに膝を打ち、一瞬息ができない。一度、痛めた足首は再びバイクの下敷きに。
大丈夫かな・・・ 頭はヘルメットのお陰で大丈夫。シールドは外れて飛んでいた。 膝の痛さが和らぐのを待ち立ち上がる。バス停のような道路が広くなっている場所にバイクもろとも滑って横転したので、後続車の心配はしなくてよく、まず一安心。
バイクを起こそうとしたが腰ギク~。荷物を解かなければとても無理だ。通過する車は、前回同様、横倒しのバイクと私を見るだけで誰も助けにはこない。反対車線からこちらに向かって除雪用のトラクターが来る。この人なら助けてくれるだろうと合図を送ったが無視され、トラクターは消えていった。開き直って、倒れたバイクを前に、路肩に腰を下ろし暫し休憩。
荷物を解きバイクを起こす 。今回はアイゼンを履いているので靴は滑らない。なんとかバイクを起こし、ホット一息。再び路肩に腰を下ろ呆然と小休止。
先ほどのトラクターが作業所から出てきて私の前を通り過ぎて止まる。運転手が後ろ向きざま「ここは死亡事故多発場所、昨年末も二人死んだ!」と活。転倒場所は中川郡美深町字大手192の近辺。解いた荷物急いで安全な場所に歩いて持って行き、続いてバイクのエンジンをかけて避難しする。一息つく。
ゆっくりと再出発の準備をする。さあ気を取り直して!
12時40分JR音威子付駅着。
(音威子付駅にて)
有名な「黒そば」を食す。おにぎりは売り切れ。お客さんは7~8人。
音威子府から浜頓別へ
晴れ。音威子府でR40号を離れR275、道の駅「ピンネシリ」へ向かう。写真下は道中の天北峠。(左側によりすぎて雪にタイヤをとられると転倒します。)
(R275にて)
景色も良し、快調に走る。
以下の2枚の写真は、R275から見えたピンネシリ岳(敏音知岳)

敏音知岳

北海道 ピンネシリ岳
14時28分、中頓別、道の駅ピンネシリ着。ピンネシリ温泉あり。
名前からして秘境のにおいがしたので温泉に入りたかったが、 浜頓別町まであと60キロ時間なし。音威子府からピンネシリは圧雪路、交通量も極端に少なく快走でした。休憩中、警邏中のパトカーが通り過ぎていったが、止まって「大丈夫ですか」と一声かけていただいても良いものだと思ったが素通りでした。
(道の駅 「ピンネシリ」にて)
中頓別から浜頓別までは、家が転々とあり町中はいつも悪路。15時47分、クッチャロ湖畔の”はまとんべつ温泉ウィング”着。左足をかばいながらホテルへ。この宿は、夏にも泊まった勝手知ったるところ。クッチャロ湖の白鳥見に行こうかなと思ったが、明日にしよう。まず、温泉だ。足を癒そう。
本日のアイスバーン走行138キロはキツかった。転けなかったらどう思っただろうか。
本日の転倒 1回 累計4回(内、大転倒2回)
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浜頓別町から宗谷岬 63km
天候 晴れ
ここで、これから先もうキャンプはやめようと決め、キャンプ道具一式を自宅に送り返す。少々軽くなったバイクを出発前のホテルでパチリ。。
(ホテル ウイングにて)
ホテル発9:23。クッチャロ湖の様子を見に行く。夏にはテント場となっていた湖畔の広場は1メートル以上積もった雪で入れない。白鳥は一羽もいない。朝食時、ホテルの人に聞くと、クッチャロ湖は「白鳥の立寄り湖で、居つきの白鳥しかいない。」と。今日は、その居着きの”もの達”も見当たらず。 想像していたこととかなり違った。
(クッチャロ湖は、ご覧の通り湖は雪で閉ざされ、白鳥の影もない。)
宗谷岬まで63キロの行程。ほぼ2時間かな。オホーツクラインに出て道の駅「猿払」へ。猿払では、オホーツク海の様子を見ようと海側の広場へ行ったが、除雪された雪が小山となって海を見れる場所まで行けなくなっていた。
道の駅「猿払」の立派なホテルは開店休業の様子。自動販売機でココアを買い、土産物屋のおばさんと話をして小休止。経営大丈夫かな。おそらく流氷の時期が稼ぎ時なのだろう。
宗谷岬到達 ついにやりました!
オホーツクライン(R238)の道路は、一部路面が露出してるところが多く走りやすかった。快調に走り12時2分、日本最北端の宗谷岬給油所に到着。ガソリンはまだまだあったが、記念品をもらうためにガソリンスタンドへ。「あまり入らないと思いますが、給油記念の品をいただきたくて、申し訳ありません。」店員は「いいですよ」と笑顔で対応してくれた。その笑顔が嬉しい。
宗谷岬で目的達成記念撮影。
そして、最北の食堂で、塩ラーメンの昼食。それからもう一枚。
宗谷岬駐車場は、除雪の雪を運ぶダンプカーがたくさんいました。
宗谷岬から稚内市へ 30キロ
天候 曇りのち吹雪。稚内市では激しい雪
13:30宗谷岬出発。 稚内市まで30㎞。1時間弱の予定。稚内市に近づくにつれ空は暗くやがて吹雪。後方から来る車を避けようと道路中央から路肩に寄るとき、雪の轍に前輪を食われ転倒。注意しているのになあ。今日は、転倒無しのはずだったのにガッカリ。ヤレヤレ・・・荷物を解きバイクを起こす。それにしても、この吹雪強くなってきたなあ。
稚内市街に入ると猛烈な雪。車多くバスも走る。テールライトが白い闇の中に消えて行く。前方がどうなっているのか判別がつかない。真っ白な世界。道路の両端は、除雪された雪が小高く積まれ、道幅狭く雪の轍だらけ。車を避けるため端に寄ろうとしたとき、今度は道路中央に向けて転倒。「渋滞が始まるぞ。早く起こさなければ」と焦る。車は倒れたバイクを避けて狭くなった道を行き過ぎる。「車、通れるたか」と少しホッとする。
みんな、困ってる私を見ながら去って行く。この光景にはもう慣れた。数台行き過ぎたあと、車を止め「大丈夫ですか」と若いひと現る。「お手伝いしましょう」と。ありがたい、親切が心に滲み渡る。二人でバイクを起こす。丁重にお礼を言う。お互い渋滞が気がかりで、それ以外の言葉を交わす間もなく、彼は直ぐにその場を去る。
その後は、一速・二速で動いては止まり、止まっては動くの繰り返し。いつか本日予約したホテルに着くだろうと開き直る。ホテルに近づくに連れ雪は小降りになってきた。
15:30ホテル着。宗谷岬を発って30㎞、2時間20分の葛藤でした。14:30までに着いたら、JR最北端駅の稚内駅で記念写真をして、市内を見学しようかなと思っていたが、そんな気力も時間もありませんでした。早く風呂は行って腰癒し、足の湿布替え・・・
ホテルにて
大浴場に入り、夕食は食堂の広間。値段も高くはなかったのであまり期待してなかったが、これが美味で、値段のことを考えると感動ものでした。
食事中、料理人が奥から出てきて「駐車されているバイク、お宅様のものですか」と声をかけられる。「そうですが!」「私も一度、冬の北海道を走ってみたいと思っています。」と云う。その割には「道はどうでしたか」「走り方は」「防寒対策は」等、具体的な質問はなく少しガッカリ。「ここまでくるのに、大変でした。」と云うと「今年の冬は、ここ数年にない寒さです。」と。そうなんだ・・・「よく頑張って来たなあ」と自分を褒めました。
本日の転倒 2回 累計6回(内、大転倒2回)